Viola Dream

第20回 あざいお市マラソン

 9月18日からの3連休以降、10月3日までの2週間で約100kmの走りこみ。体調も良
く、今度こそ記録更新との気持ちで臨みました。それなのに、今回はなんと、記録な
し。最悪の結果でした。

 スタート直前に、かなり強い雨が降りました。帽子持って来て良かったー! と、自
分の判断の良さに少し嬉しくなりました(ま、ホントは帽子着用なんて当たり前です
ね)。冷たい雨で体が冷えたこともあり、前半10kmは2kmを9分半で走ることにしまし
た。右膝に負担がかからないよう、スタンスも小さめを心がけました。24分半で5kmを
通過。練習より少し遅いスピードなので、体への負担も少なく快調です。前半は軽い
登りなので、このままのペースを10kmまで維持し、その後の下りになってから少しペ
ースを上げる作戦でした。

 もうまもなく10kmという所で、突然、何の前触れも無く、視界が白くぼやけてきて頭
がフラフラし始めました。そのまま走り続けようか迷ったのですが、少し急な上り坂に
差し掛かったこともあり、後続のランナーの邪魔にならないよう端に寄って立ち止ま
りました。頭を肩より低く下げれば視界が正常に戻るところを見ると、貧血のようでし
た。

 一過性のもので、すぐに回復すると思ったのですが、再び走り始めると、20秒ほど
で視界が真っ白になります。耳の感覚もおかしくなり、ちょうどプールや海で耳に水
が入った時のような感じで、呼吸の音が耳の中でガンガン響きます。そのまま無理
に走ると、平衡感覚がなくなってしまい、たまらずその場にしゃがみ込んでしまいまし
た。

 頭を低くすると、数秒で視界が正常に戻ります。でも、立ち上がるとダメ。すぐに視
界がホワイトアウト。できるだけ頭を低い位置に保ち、腰を落とすようなフォームで走
ろうとしましたが、やはりダメです。歩くのも難しい状態でした。仕方が無いので、少し
走っては頭を下げて視界が正常になるのを待ち、また走ることを繰り返しました。

 そのうち回復するだろうと思ったのですが、症状は悪化する一方。10kmを52分で通
過後、15kmでは時計を見ることすらできない始末。とても走れる状態ではありませ
ん。それでも、ゴール目指して前へ進むことにしました。頭を下げているためか、首と
肩の鈍い痛みが次第に耐え難いものになってきました。だんだん立ち止まっている
時間が長くなります。悪いことは重なるもので、スタート時に降ってその後やんでい
た雨が、少し強めの風を伴ってまた降ってきました。

 体がどんどん冷えていくのがわかりました。手の指がジンジン痺れています。頭が
ぼんやりしてきて、手の痺れが貧血によるものか寒さによるものか、そんなことを考
えていたらふらついて転倒しそうになりました。しゃがみこんで正常に戻る視界の中
に、街道で咲くコスモスが映りました。赤やピンク、黄色やオレンジ色のコスモスが咲
いていました。残念なことに、私が走るために立ち上がると、コスモスの花はまた、白
一色になってしまいましたが。

 本当は黒いのに、私の視界にはギラギラと白く光って映るアスファルトの道を進み
ました。もうすぐ20kmというところで、ポンポンポンッと、花火の音が響きました。ハー
フマラソン終了の合図でしょう。20km地点では、係の人からゼッケンに取り付けられ
たICチップを外されました。もうこれ以上、進んでも意味は無いのに。自分の中でそ
んな声がしました。

 ゴールのある陸上競技場まで帰ってきたものの、そこにはもう、コース表示があり
ませんでした。あまりに辛い現実。ほとんど目が見えない私は、それでもゴールを探
してみたのですが、すでに撤去された様子です。自分の情けなさ、不甲斐なさに悲し
くなりました。

 バスと電車を乗り継いで帰ったのですが、気分は悪くなる一方。何度か、駅員さん
を呼ぼうか迷いましたが、なんとか家までたどり着きました。翌日にはかなり回復し
ましたが、体へのダメージを考えれば、症状が回復しないと判断できた15kmの時点
でリタイアを申請すべきだったかもしれません。

 練習では15kmを楽に走れるのに、今回、10kmも走らないうちに貧血でダウンした
原因ははっきりしません。ただ、1年ほど前から立ちくらみなど貧血気味だなーと思う
ことがしばしばあったので、何らかの対策を取る必要はありそうです。『体調は万
全!』と思っていたのに、思わぬ落とし穴。普段から体調を整えることの大切さ、わ
ずかな気の緩みが失敗につながる怖さ。ランニングは、単純に見えても奥が深そう
です。また、一から出直しです。


 参加賞の長袖Tシャツとタオルです。これ以外にも新米2kgをいただきました。完走
できなかったので要らないとも思ったのですが、運営スタッフの皆さんの好意に甘え
て受け取りました。

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